|
知人の紹介で標記の講座を11月7日および27日に実施しました。講師にとっても気づきの多い講座だったので、レポートを提出します。
【とき】11月7日(金)および27日(木) 10時〜11時30分
【ところ】桜木公民館和室(同室託児つき)
【受講者】6名
【主催】ママさん企画サークル「Happy Family サポーター HUGHUG!」
【対象】子育て世代(育児中のお母さん方)
【目的】長期的な視点で自分と家族の生き方・暮らし方を考え、各家庭の事情にあったファイナンシャル・プランを考えるきっかけを持ってもらう。
【内容】
<1日目>ライフイベント表・キャッシュフロー表の作成の仕方
<2日目>キャッシュフロー表の見方、教育資金・住宅資金・生命保険についての考え方 |
|
|
|
|
|

◆所感など
(1) 講座の分割回数について
「ライフプラン」で扱う題材は幅が広いのでいくら時間があっても足りないし、短すぎると中身の薄いものになってしまう。
今回2回開催にしたのはそれなりの理由があった。それは、1日目に紹介するキャッシュフロー表(インフレ率等を考慮しない簡易版)について、話を聞くだけではなく、受講者の方に実際に作成して欲しいからだ。実際に作成することで、自分の家の年間の収入と支出を確実に知ることができる。この「自分の家のことを知る」ことは、どんな「お金」にまつわる問題を考えるときも「柱」となり、「柱」があれば世間に流布する情報に振り回されずにすむ。2日目に話す内容についても、講師からの一般的な話を受講者側がそれぞれ自分の身の丈に引き寄せて聞いてもらうことが可能になるはずだ。以上の理由から、実際にキャッシュフロー表の作成を2日目までの「宿題」にした。
(2) 受講者の性質――意識の高いお母さん、人に尽くすお母さん
受講者には初日に自己紹介を兼ねてこの講座に期待することを話してもらった。共通するのは、一般公開で受講者を募集したので当然ではあるが、皆さん非常にまじめで意識の高いお母さんばかりだということだ。
受講者の意識のトップはなんといっても今後教育資金についてどのくらい必要になるかということであった。
次にマイホーム。家計の見直しも情報が多すぎてどこから手をつけていいかわからない、という声もあった。また、保険会社などに所属のFPだと中立的な意見が聞けない不安があり今回のような機会を歓迎するコメントも聞かれた。
そして次に共通するのは、皆さん、家族に尽くすお母さんばかりだ、ということだ。
1日目のライフイベント表作成のときは、「夢」を実現するためにいくら必要かと考えるべく、まず将来の予定や夢を挙げてもらう。お金は目的ではなく手段であるからだ。しかし、限られた時間で埋める受講者のライフイベント表は、「これから(必然的に)起こること」で終わりがち。作成した感想を聞いてみると、「これから教育費がかかると思うと、レジャーなんてなかなか書けない」「子どもは3人欲しいと思うけれど、二の足を踏んでしまう…」などの回答であった。見えてくる現実に逆にネガティブに反応してしまうようだ。たとえ自分の夢を描いたとしても、家計を実現可能なものに調整する段階で、まずは自分のことから削っていくお母さんが多い。
こういうとき私は必ず、「お母さんの夢があるなら、それは絶対に削らないで」と伝えることにしている。ライフイベント表もあえて子どもが独立するころまでの年数にしてあるので、子ども独立後の自分を想像してもらい、仕事でも趣味でもなんでもいいから今から少しずつ自分に投資をしていって欲しいこと、それが将来お金も含めたいろいろな意味での「豊かさ」につながってくることを説くことにしている。今回もそれを伝えたが、どのくらいインパクトがあったかはわからない。
(3) お金の知識は人生を変える?
2日目の最後に講座の感想を聞いたところ、「今回知ったことを前から知っていれば、職業ももっと考えたと思うし、働き方も違ったと思う」と言われて軽い衝撃を受けた。その方は、結婚退職して現在専業主婦であるが、子どもがもう少し成長したらまた働きたいと思っている方だった。正直なところ、今回の内容は時間の制約もあって決して中身の濃いものではなく、いろいろなマネー誌などを読み漁れば得られる知識がほとんどだったと思う。それでもそこまで感じてもらえたのは講師冥利につきるが、逆にマネーリテラシー拡大のニーズはまだまだあると感じた。
また、「今回自分が知ったことを子どもにも知ってもらいたいが、どうやったら子どもに教えられるのか。そういう場はあるのか」という質問もあった。
◆今後の課題など
(1)受講対象者への配慮
育児中のママさんが対象とする場合は、やはり同室でも託児付が望ましい。育児中のママさんたちは幼い子どもがいるために、やりたいこと・行ってみたいところがあっても、そのチャンスを得ない・得られないことが多い。受講者の不安を解消し集中できる環境を整えるためにも託児など、一般のビジネスマン対象の講座とは違った配慮が必要である。
なお、今回主催の「Happy Family サポーターHUGHUG」は、このようなニーズを汲んで子連れでも参加できる講座などを多数企画しており、その取り組み方は注目に値する。これについてはまた別の機会に報告したい。
(2)ライフプランを前向きに考えられるような話の引き出し方
限られた時間の中で将来の夢などを現実の制約を考えずに自由に発想することは難しい。また、特に専業主婦の場合は自分のために使うお金についてもストイックになりがちのようだ。FPの私から「自分の夢は削らないで」と言われることで前向きになれる、というコメントも以前別の場で聞いたことがあったが、とにかく、ライフプランを考えることで将来を悲観したりネガティブになったりするのではなく、未来を明るく楽しく考えられるような講座の持ち方や語りかけ方も今後学んでいきたい。
(3)マネープランとキャリアプランの抱き合わせ講座
終了後のアンケートで「今後どのような講座があったら参加したいか」と聞いたところ、「キャリアプラン」という回答があった。マネープランとあわせてキャリアプランまで相談できる場があると有効かもしれない。
(4)子どもへのマネー教育の必要性を知るための大人向け講座
子どものマネー教育は、学校やFPによる外部講座などで教えること以上に家庭内での教育も重要だと考えるが、それにはまず親がマネーについて理解しようとする必要がある。大人向けのマネーリテラシー講座も重要であるが、子どもへのマネー教育の重要性について知る大人向けの講座も必要ではないかと感じている。
最後に、今回主催してくださったHappy Family サポーターHUGHUGのスタッフには、このような機会を提供してくださった上に講座中にわが息子の保育までしていただき、本当に感謝している。先日「HUG感謝祭」なるものがあり参加してきたが、「お金」について興味がある方が非常に多いというお話もあった。また貢献できればうれしいと思う。
|
|
|
▲ 挿絵はえすけっとくらぶ発行『障害者・高齢者 バリアフリーイラスト・カット素材集』より |
|
|
|
|