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● 《講座要旨》
「老後を安心して暮らす方法」連続5回講座要旨レポート
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みぬまで暮らす会 |
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日 時 : 2008年10/18〜11/22の下記土曜日 13:30〜15:30
会 場 : 生涯学習総合センター7F 講座室1・2
主 催 : NPO法人 くらしとお金の学校
共 催 : さいたま市生涯学習総合センター
◆ 第1回 「市民の中から新しい共助のしくみが誕生する!」 10/18(土)
「老後を安心して暮らしたい!そんな願いを叶えるために、地域にどんな組織やしくみが必要なのか、すでに実践している人たちから学びましょう!」という呼びかけで始まった連続5回講座「老後を安心して暮らす方法」。NPO法人くらしとお金の学校とさいたま市生涯学習総合センターの共催で、定員の40名を超えて申し込みがあり、関心の高さが窺えました。
講師は「このまちで暮らす会・むさしうらわ」事務局長の上田寧さん。上田さんは医療や福祉の市民活動を立ち上げ、15年以上にわたってさいたま市を中心に活動し、広いネットワークを持つ市民活動家。
「娘や息子に迷惑をかけずに、出来る限り自立して住み慣れた我が家で暮らし続けたいと思っている人は多い。しかし、介護保険や行政サービスをフルに使っても賄いきれないのが現実…」。そこで考えたのが、同じ地域で暮らす会員同士が助け合う、生活サポート互助システム。「このまちで暮らす会・むさしうらわ」は、そのモデル事業として8月にスタートし、実際のサポートがいよいよ始まるそうだ。
会のしくみは、年間30,000円の会費を払った会員同士で、サポートする人、サポートを受けたい人がお互いに助け合うことが基本になっている。1時間1,000円の有償ボランティアだが、現金の授受ではなく、福祉通貨を使う。あくまで介護保険の隙間を埋めるもので、会員同士では対応できない問題はNPOや医師、弁護士、介護福祉士等専門家の協力会員がトータルにサポートしてくれる。これまでの市民活動で培ってきたノウハウとネットワークをフル稼働して作られたしくみだ。
「みぬまで暮らす会」がめざしているのも、「このまち・見沼」で暮らし続けること。一足先にスタートした「このまちで暮らす会・むさしうらわ」の今後に注目したい!
(江野本 啓子)
◆ 第2回 「地域のニーズに合わせて様々な介護・福祉サービスを提供」 10/25(土)
講師は「NPO法人ぬくもり福祉会・たんぽぽ」会長の桑山和子さん。22年前(1986年)に公民館の講座受講者有志で「女性問題研究会」を発足したのが始まりだという「たんぽぽ」。
その後、介護保険制度導入を経て、飯能市から「障害者就労支援センター」や「地域包括支援センター」の事業を受託するまでになった活動の軌跡を聞かせていただく中に、地域で住民主体の福祉活動を長く継続させるためのヒントを探りたいと思った。
講座前の打合せで、「聞いているだけじゃ、ダメよ。まず自分の住んでいる地域にどんな問題があるのか、自分自身で考えなくちゃ!」と、一貫して地域に根ざす活動を進めてきた桑山さんらしい一喝。そこで、参加者に区ごとに別れて討論してもらうことに…あわてて机を並び変えた。
各テーブルで、お互いの自己紹介が始まった。この講座で初めて出会った人たちも、同じ地域に住む者同士という連帯感も生まれてか、たいそう話が盛り上がっている様子。発表の時間になっても話し声は一向に止まず、討論の時間を延長することになったほどだ。
休憩もそこそこに、各テーブルの代表が発表をした。毎日の生活上の小さな支援など自分たちの助け合いで解決できる問題。交通アクセスの改善など行政の力がなければ解決できない問題。介護保険制度の改善がぜひとも必要な状況。訪問診療医師の不足や救急医療への不安等々。
もちろんこの場で結論がでる話はひとつとしてないが、高齢期の暮らしの課題を、参加者それぞれがしっかりと確認することができたと思う。
(嘉成 勝子)
◆ 第3回 「茶話本舗のフランチャイズで自宅をデイサービス事業所に!」 11/8(土)
(株)フジタ・エージェントの荒井直人さんを講師に迎え、「茶話本舗」が展開しているフランチャイズ方式のデイサービス事業について話していただいた。
(1) 自宅(民家)をほとんどリフォームなしでデイサービス事業ができる。
(2) 10人定員のデイサービスなら施設管理者1名、相談員1名の資格者は必須条件だが、他のスタッフにヘルパーなどの資格はいらない。
(3) 初期投資が約350万円程度。
など、荒井直人さんが語ってくれたことが本セミナー受講者の関心を集めた。
要介護者が日帰りで昼食・入浴・レクリエーションを受けられるのがデイサービス(通所介護)だ。 最初の打ち合わせでは「茶話本舗」の創始者で、元Jリーガー・藤田英明社長がセミナー講師の予定だったが体調不良で来られず、急遽、同社不動産事業部長の荒井直人氏がピンチヒッターで登板してくれた。セミナー前半は社長の介護理念「24時間365日のサービス提供」の必要性を熱く語った。
普通、デイサービスというと、利用者の自宅に午前10時過ぎくらいに車がお迎えに来て、夕方4時過ぎ頃には車で自宅に送られて帰ってくる、せいぜいそんなものだと思っていた。だから、共働きで送迎時に自宅に家人がいない家庭だとデイサービスの利用は難しい。
その隙間を衝くように「茶話本舗」は、24時間365日、必要な時に必要なサービスを提供してくれるデイサービス事業所のFC(フランチャイズ)として登場し、全国展開している。
この3月には直営店とFC店舗は合計65店舗と聞いていたが、8ヶ月後の今回のセミナー時では98店舗に拡大している。
在宅介護で今、必要なのは、長時間のデイサービスと緊急対応してくれるショートステイだ。同社はそのニーズをカバーする事業内容を構成している。ビジネスとして成り立つ鍵は、介護保険のデイサービスと保険外サービスのショートステイを併設していることにある。
茶話本舗のデイサービス利用者の90%以上が認知症高齢者という。いつでも見守りが必要だし、一対一対応にならざるをえない。また、利用者の4割は泊まりも利用しているという。年末年始や連休、夏休みは5人定員の宿泊予約はすぐに埋まってしまうほど圧倒的なニーズ喚起を得ている。
私はフランチャイズのことはよく知らないが、短期間で全国で100店舗も展開するシステムが、本当に在宅介護のバックアップになるのなら、実際に個々のフランチャイズ店の実態を見学してみたくなった。
(長沼 和子)
◆ 第4回 「長年福祉・介護行政に携わって」 11/15(土)
講師の舘谷昌宏さんは、元さいたま市職員。介護保険制度開始以来、準備段階から一貫して介護保険にかかわってきた介護保険のプロ。現在は退職されて「鰍烽烽フき」を設立し、居宅介護支援事業、認知症対応型通所介護事業を行なっている。きっかけになったのは、認知症の母親の介護体験。「介護はつらいばかりでなく、濃密な充実した時間だった」と振り返ったことばが印象的だった。
最初に「自分の老後、介護生活を思い描いて見て下さい」という演習からスタート。
「60歳以降は?」「支援が必要になったら?」「介護が必要になったら?」……いざ想像してみても、意外と現実感を持っていないことに気づかされる。
介護が必要になったとき、本当に在宅は可能なのか。舘谷さんによると、単身・認知症なし・介護度5の人が在宅で過ごす場合、1日に必要なサービスは早朝から深夜までの身体・生活ヘルパーが5時間30分。他にお茶入れや話し相手などボランティア(実費負担)もお願いすると自己負担分は1日3,900円に。訪問看護や訪問リハ等が必要な場合は、さらに上乗せされる。かなりの負担を覚悟しなければならない。
自分の老後をイメージし、どう過ごすのかをはっきり持つことや介護保険・行政サービス、民間サービス、施設等々しっかりした情報を集めること、介護保険になっても行政責任を問い続けることが大事だと改めて気づかされた。
最後に紹介された「フレディの遺言―私を介護してくれるあなたへのメッセージ(もし私が、痴呆性老人になったら、その時……)」が心に残った。
(江野本 啓子)
◆ 第5回「最後まで自宅で暮らすしくみは自分たちの手で!」 11/22(土)
最終回は「最後まで自宅で暮らす仕組みは自分達の手で」とのタイトルで「おもとくらぶ」代表の嘉成勝子さんの講座が開かれました。
嘉成さんは軽い気持ちで知り合いの仲間と話し合ううち、近い将来やってくる自分たちの老後のことなど共通の問題意識が芽生え、これを多くの人と共有したいとの思いで「おもとくらぶ」という<高齢期を支え合う仲間の会>を2004年の暮れに発足、以来、勉強会、見学会、講演会、ハイキング、また葬送支援活動など、楽しく地域でお互いが助け合い、最後まで暮らす方法を模索して幅広く活動を続けてこられた。
講座の最後に、地域で最後まで暮らすために必要なこと、気がかりなことなど、それぞれが付箋紙に書き、テーマ別に区分けしました。家事、食事、買い物、掃除、外出、人とのつながり、相談、情報、健康、楽しみ、など。みんなで説明を加えながら話し合いをしました。
多くの人が抱えていることを話し合ううちに自分だけではないのだとの共通意識が、連帯感が生まれると感じました。
最後に、不慮の事故や重篤な病気に倒れたときのために、元気なうちに自分の伝えたいことを書き残しておくことは、家族に「これでよかったのだろうか」と悩ませないためにもぜひ必要なことだ、と「緊急対応ノート」の説明をされていました。私も書き入れて分かりやすいところに置くことにします。
今回の連続講座の5人の講師の方が、それぞれのやり方で地域で暮らすための支援をされていることは、「できれば最後まで今の家で過ごせたら…」と願っている私には大きな救いです。そして、「みぬまで暮らす会」のこれからの発展が楽しみです。
(田口 秀之助)
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『Com.deみぬま』bR : 2008.12.22、より転載
発行者:みぬまで暮らす会世話人:江野本啓子・嘉成勝子・田口秀之助・長沼和子
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